介護士になる方法にはいくつかある。介護士は正式名称を介護福祉士と呼ぶが、国家試験に合格したのち、登録をして初めて介護福祉士となれる。国家試験の受験には、まず3年以上介護などの業務に従事し、かつ450時間の実務者研修を修了していなければならない。また、高等学校で福祉科の福祉コース、もしくは養成施設を卒業していることでも受験資格が得られる。それ以外の高校卒業者は、2年制介護福祉士養成施設を卒業することが必要となる。指定された福祉系大学や、保育士養成施設を卒業した場合も受験できる。介護福祉士養成施設で1年以上学び、卒業後に受験するというケースもある。

 介護福祉士の国家試験は年1回、マークシート方式による筆記試験が1月にあり、筆記試験合格者にのみ3月に実技試験が課される。筆記試験は午前110分と午後の100分に分かれ、試験の内容は、人間の尊厳と自立に関する理解、介護の基本や生活支援、認知症、その他の障害に対する知識等である。受験資格さえあれば、弱視者の受験や点字での受験もできる。この場合試験時間が、弱視者で1.3倍、点字受験で1.5倍となる。実技試験では、「一般的な椅子から車いすへ要介護者を移動させ、車いすで段差を越える」といった実践的な内容が出題されている。尚、介護業務に3年以上従事し、実務研修を終えている者は、実技試験が免除される。筆記試験は全国34か所で行われ、実技試験は8か所で実施されるようだ。